被災後

 

以降、ほとんど愚痴になってしまうだろうけれど…

その後、お宅が半壊状態のE夫人はハンガリー、ルーマニアへ研修旅行へ旅立たれる。「そうでもしないとつぶれてしまいそう」とのことであったが、そのバイタリティに驚かされる。依然ご自宅は応急処置(ベニヤで壊れたところを塞いでいる)を施したままだが、帰国後、移転を思いとどまる気持ちになったそうである。土砂で壊れた台所を取り壊し、縮小して住まわれるつもりだそうだが、それが良いのではないかと思っている。体がご不自由なご主人と一緒に住み慣れた我が家なのだから。

教会の方は一応平静を取り戻している。しかし、浸水の影響が心配される床下の調査と、その後浸水によって使いものにならなくなっていることがわかった会堂のストーブの購入を検討して行くことになった。

もっとも深刻なのは我が家(牧師の家庭)かもしれない。

我がカミサンは持病が再発してしまい、ついには入院中である。季節の変わり目ということもあるのだろうが、水害のショックも引き金になったのではないだろうか。何しろ、「心臓がシリコンと超合金でできていそう」と言われる私の心臓でさえ、その後雨音を聞くと鼓動を早めるのだから。

そして、そのためセガレ(1歳と3ヶ月)は保育所に入れることを余儀なくされるが、入所当初にありがちな、カゼや発熱のため体調が思わしくない。

かくして私は子育てと看病に追われるのであった。すぐさま遠方の家族にSOSを出し、家事を手伝ってもらっているのだが、セガレの看病のためとうとう教会の一泊修養会(11月14〜15日)にも出席できないという事態にまで陥ってしまっている。たまたま2週連続で説教のない私だが、「一体どこの教会の牧師なのだろうか、俺は」という思いにかられ、何とも情けない思いをしている今日この頃である。日に日に「シリコンと超合金」がささくれ立って行くのが分かるぞ。

だがお蔭で、セガレが寝ている間は、こうして愚痴をこぼす暇ができたのである。(1998年10月)

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